山形浩生 (毎日新聞 2008年11月3日号?) 要約:ノーベル賞は、それを選考する人たちがちゃんとぶれない評価軸を持って選考しているのがえらいのだけれど、しょせんは毎年数に制限のあるお遊びのようなもので、それをもとに政策方針なんかたてちゃいけない。それは自分にまともな評価尺度がありませんと認めているに等しい。実際ないんだけどね。 ノーベル賞が創始されてすでに百年以上がたつ。その間にノーベル賞は、世界で最も権威ある賞の一つとして揺るぎない評価を得ているのだが、そのご威光が強すぎて、変な使い方をされるようになっているのは残念なことだ。たとえばノーベル賞X人を政策目標に、といった使われ方だ。あらゆる賞と同じく、ノーベル賞も基本的にはお遊びの一種なのだから。 ノーベル賞の権威は、とりもなおさずその選定者たるスウェーデン王立科学アカデミーの鑑識眼を見事に示すものだ。もちろん人間のやることだから、完