インサイダーなので(入試関連業務の管理レベルのところで本格的な仕事をした経験はないが大学教員である以上末端レベルの仕事なら毎年やっているので)具体的な話をするのには差しさわりがあるのだが、大学入試というのはなかなかに頭の痛い事業であることは言うまでもない。 言うまでもないことだが、入試問題というものは、十年ほど前に話題になった「外注」のケースを別とすれば、基本的には大学教員が作っている(はずだ)。(そういえばその昔この「外注」のことを「盗人に鍵を作らせるようなもの」と評した方がおられたが、好むと好まざるとにかかわらず、大手予備校が大学に対して入試にかかわるコンサルティングを主要業務のひとつとするようになって久しいということは厳然たる事実。) そして大学入試における学科試験の問題は、通常は高等学校までのカリキュラムに則ったかたちで、つまりは高校における授業科目に対応した形で行っている。しかし