死が恐ろしいもの、忌むべきものだという考え方は、どうも昔からあったわけではないらしい。 赤坂憲雄さんの『東西/南北考―いくつもの日本へ―』という本によれば、日本各地の過去の人々の暮らしをひも解いていくと、決してすべての地域が、死を「ケガレ」として忌む対象としてきたわけではないそうだ。 人々が生活する「居住区域」と「お墓のある区域」に境界が設けられていない地域も、たくさんあるそうだ。 むしろ、「死というのものは怖いもので、生活の場からは極力遠ざけなければいけない」という通念こそ、畿内を中心に作られた社会的創造物なのだとすら、赤坂さんは主張している。 まあそれを鵜呑みにするかどうかは保留にするとして、いずれは僕にもやってくるべき死というのものに対して、昔々の誰かが勝手に考えた作り話にとらわれたまま、恐怖におののきっぱなしなのだとしたら、シャクだとは思う。 ★ 今、死についての2つのエントリがあ