【ジュネーブ澤田克己】日本の人権保障状況を審査した国連の規約人権委員会は30日、死刑廃止へ向けた取り組みを日本政府に求める勧告を盛り込んだ「最終見解」を公表した。国際社会では死刑廃止国が大勢を占めるようになっており、死刑維持国への国際的批判の高まりを背景に厳しい内容となった。 国連人権規約の自由権規約に基づく締約国に対する国別審査で、日本への審査は15、16の両日、10年ぶりに行われた。勧告に法的拘束力はない。 最終見解は特に、日本で(1)死刑執行数が増加(2)本人への告知が執行当日--であることなどを問題視。死刑囚本人とその家族が心の準備ができるよう「適切な時間的余裕を持って執行日時を事前通知すべきだ」と勧告した。 国連の調査では、死刑を廃止または事実上廃止した国・地域は141。死刑制度を存続しているのは56で、主要8カ国では米国と日本だけ。 最終見解は、代用監獄制度の廃止▽虚偽の自白を