失業中の32歳の男性。ストレスから左耳が難聴になった。歩道橋から見える団地の明かりがまぶしい=東京都内で、戸嶋誠司撮影 ◇派遣転々…身も心もボロボロ 「何とか就職できたよ」--昨年秋の高校の同窓会。近況報告でとっさにうそが出た。同級生は働き盛りの会社員や公務員。仕事の苦労も楽しそうに語り合っていた。 横浜市で1人暮らしの31歳のダイスケさん(仮名)は今、生活保護を受けている。派遣切りに遭い、仕事が見つからないままもう2年がたった。 埼玉県の私立高を99年に卒業。家計が苦しく進学できなかった。フリーターになり、ファミレスで週5日のアルバイト、うち2日はコンビニと掛け持ちした。多い日は1日14時間働いた。それでも月収約13万円。 8年目、長時間労働がたたって体を壊し、アルバイト生活をやめた。だが、正社員の面接を受けても不採用が続く。履歴書の資格欄はいつも「なし」。運転免許すら持っていない。 専