アメリカは、中国を断じて許せない 米中貿易戦争のゆくえを、人びとは心配している。 だが、これは「貿易」戦争ではない。「経済」問題でもない。国際社会の「覇権」争いですらない。 かつてナチズムと戦い、軍国日本と戦い、ソ連と冷戦を戦ったのと同質の、総力をあげての価値観の激突である。アメリカは、いまあるがままの中国を、断じて許すことができないのだ。 それは、なぜなのか。これをわかるには、いまの中国社会のあり方を理解すること。そして、それがアメリカの人びとに、どう映っているかを理解すること、が必要だ。 中国社会を理解する補助線は、まず、単位制度である。 「単位」(working unit) 。ほとんどの日本人は知らないかもしれないが、中国人なら誰でも知っている。中国共産党の基盤であり、「社会主義市場経済」の大前提である。単位という独特の存在について、まとめておこう。 中国共産党は解放前、長いゲリラ活