こんな素晴らしい作品が誕生するなんて、ほとんど奇跡じゃないか、と思う。もちろん、山本正典が才能豊かな作家であることは、誰もが知っている事実だ。コトリ会議が関西を代表する劇団であることも、かなりの人たちがすでに知っている。でも、いきなりこんな傑作を作ってしまうなんて、なんか騙された気分だ。もっと、ゆっくりここにたどりつくと思っていたから、今は興奮と動揺とを隠せない。 でも、まぁ、いいじゃないか、と少し落ち着く。2時間20分、休憩5分(5分、というのがいい)を挟む2部構成ということを聞いて気合いが入っているな、と身構えたけど、そんな期待なんか遥かに超越するのだ。なんだ、このスケールの大きさは! しかも、とてもコトリらしいぞ。だいたい登場人物が、「コトリたち」だし。最初から気合いの入り方が違う。でも、それが空回りしなければいいなぁ、なんて最初は少し余裕かまして見始めた。だが、すぐに、そんな余裕な