■去る戦士、残る名門意識 まるで難破船からネズミが逃げ出すようなといったら言い過ぎか。Jリーグ一部(J1)のジェフユナイテッド市原・千葉から有力選手が次々と去っている。羽生(→F東京)▽山岸(→川崎)▽水野(→セルティック)▽水本(→G大阪)▽佐藤(→京都)。いずれもチーム生え抜きの日本代表経験者である。 Jリーグも16年目を迎え、浦和のように他チームから選手を引き寄せるクラブが現れる一方で、育てた選手を放出し経営資金を得るクラブも出てきてはいる。千葉は後者の代表になりつつあるが、ゴッソリ抜けた今回の移籍劇は、そんな方針を超えている。 何があったのか。選手の口は重いが、移籍を伝えるニュースの行間からは、フロントに対する選手たちの批判や不満がにじみ出ている。「(フロントは)何をしたいのか分からない」「淀川(隆博)社長は慰留しなかった」などなど。次期GMに決まった昼田宗昭氏だけが慰