出生取り違えの男性会見。出生直後に別の新生児と取り違えられた男性が会見した(壇上中央の影) =27日午後、東京都千代田区の司法クラブ (小野淳一撮影) 東京都墨田区の産院で60年前、13分差で産声を上げた2つの人生が入れ替わった。別の新生児と取り違えられ、本来と異なる人生を余儀なくされたとして、都内の男性(60)と実弟3人が産院側に賠償を求めた訴訟。3800万円の賠償命令は出たが、実の両親はすでに他界していた。男性は27日、取材に対し「生まれた日に時間を戻してほしい。生きて会いたかった」と複雑な胸の内を明かした。 東京地裁判決によると、昭和28年3月30日、「賛育会病院」で相次いで2人の男児が生まれた。1人は原告の男性で、午後7時17分に実の両親の長男として誕生したが、その13分後に別の夫婦の間に生まれた男児と取り違えられた。 産院側は訴訟で取り違えを否定。同院では分娩(ぶんべん)後、10