【タクロバン(フィリピン中部)=都留悦史】今年最大の勢力を記録した台風30号で、最も大きな被害が出たフィリピン・レイテ州の州都タクロバンに11日、記者が入った。 マニラ国際空港からチャーターした軽飛行機で上空から街を見下ろすと、ところどころ白い煙が見える。何かが燃えているようだ。晴天なのにタクロバン上空だけはかすみがかっている。 貨物船や漁船が内陸部まで打ち上げられ、海の中には横倒しになったバスやトラックがつかったままだ。沿岸部では約5メートルの高潮が押し寄せたといい、海岸沿いの樹木は上部の枝がへし折られ、葉っぱはすべて吹き飛んでいた。家屋はことごとく崩壊。犠牲者の多くは建物の下敷きになったり、溺死(できし)したりしたようだ。 空港は管制機能をかろうじて維持しているものの、ターミナルの白い壁は崩れ落ち、屋根は完全に吹き飛んで赤い鉄骨がむき出しになっていた。 「水をわけてもらえませんか」。滑
台風30号の直撃を受け、沿岸部が壊滅状態となったフィリピン・レイテ島の中心都市タクロバン。命からがら助かった住民も、雨の中でただ呆然(ぼうぜん)と立ち尽くすばかりだ=10日(ロイター) フィリピン中部を8日に襲った猛烈な台風30号による死者・不明者は、当初の推計を大幅に上回り、レイテ島だけで1万人を超す恐れがあることが明らかになった。現地の警察幹部がロイター通信などに語ったもので、レイテ島で台風が通過した地域の70~80%の建物が破壊されたという。島の中心都市タクロバンでは、沿岸部が台風によって発生した高潮に襲われ、がれきが散乱。建物は破壊され、車両が横転するなどし、衝撃のすさまじさを物語っている。道路寸断で救援難航 タクロバン(人口約22万人)はレイテ島の北東部の海岸に面した港湾都市で、首都マニラからは南東約580キロに位置する。フィリピン政府は軍を動員して、水や食料、テントなどを輸送。
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