11日で発生から4カ月を迎えた東日本大震災。津波で多くの住宅や店舗が壊滅した岩手県陸前高田市で、この4カ月間休まず営業を続けているたばこ店がある。赤い屋根が目印の「十八(じゅうはち)ストア」。店主の佐々木定夫さん(77)は今も多忙な日々を送るが「いつかみたいに穏やかな店になってほしいね」と街の復興を願っている。 十八ストアは80年、市中心部から続く坂の上の鳴石団地に自宅兼店舗として開店した。屋号に「みなさまの十八番(おはこ)に」という思いを込めた。 大地震の発生時、佐々木さんは店にいた。1時間もたたないうちに津波に追われ、次々と人が坂を上ってきた。雪が舞う中、津波にぬれて身震いする人たち。「(家族の)手を離しちまった」と泣く人もいた。 佐々木さんは自宅にあるだけの服を出して着せ、売り物の食品を分けた。着の身着のまま、お金を持たない人にもたばこを渡した。在庫は2日間でなくなった。 鳴石団地に