4年前の北京五輪では本大会メンバーに入れなかった熊谷(青)だが、ブラジルの攻撃陣と対等に渡り合った(写真:ロイター/アフロ) 写真を拡大 ■ 過去に苦手としていたブラジルの攻撃 炎天下での非公開練習は、連日2時間前後にも及んだ。 なでしこジャパンがロンドン入りする前、国内で行われた最終強化合宿の話だ。「サイドチェンジ対策とセットプレー対策。ハードなメニューだったけれど、選手たちは集中して、意欲的に食らいついてくれたよ」。佐々木則夫監督は毎日のように、手応えを口にしていた。 サイドチェンジとセットプレー。まさしくこの日、なでしこジャパンがブラジルに脅かされつつ、その都度、跳ね返し続けたものが、それである。 ブラジル女子代表は、破壊的な攻撃力で世界に君臨するチームだ。2大エースのマルタとクリスチアーニにシュートを打たせるお膳立ては、中盤のパスワークからの大きなサイドチェンジで行う。この日