5日、益城町総合体育館。熊本地震で最も被害が大きかった地域にある、最大級の避難所の敷地内を、大柄な男が走っていた。 「こどもの日だけん、ケーキ持ってきたよ!」。そう呼び掛けると、発泡スチロールの箱を開けて、子供たちを手招きした。 さまざまなフルーツが彩るケーキに、子供たちが歓声を上げる。そして大人たちも、別の意味での歓声を上げた。 「巻さんやん、巻さん!」。ビニール手袋をはめ、ケーキを配ろうとしていたのは、J2熊本FW巻誠一郎(35)だった。 ◇ ◇ 「子供のような心を持った大人も、食べてくださいね!」。巻の呼び掛けに「あら、じゃ私も」と年配の女性が列に加わった。 巻はさらに「ここは空調なくて熱くなるけん、熱中症予防!」と言って、お年寄りに塩分補給できるあめを配って回った。 ちょろちょろとついて回る子供が、無邪気に言う。「サインほしいな」。すると巻は「ユニホームあるよ!」と応じる。 「
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