宗教情報センターの研究員の研究活動の成果や副産物の一部を、研究レポートの形で公開します。不定期に掲載されます。 1月26日、「SGI(創価学会インタナショナル)の日」には毎年、創価学会名誉会長である池田大作SGI会長が核兵器廃絶などを提言する。今年の提言では、原子力発電(以下、原発)に依存しないエネルギーへの転換を呼びかけた(※1)。創価学会が脱原発に言及するのは初めてで、注目された(※2)。 東京電力・福島第1原子力発電所の事故は「国際原子力事象評価尺度(INES)」で「レベル7」とされた。1986年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故と同じ、最悪のレベルだ(※3)。原発史上最悪の事故を受けて脱原発運動が高まるなか、宗教界にも動きが見られる。そこで、宗教界の原発に関する見解をまとめてみた。 ◇◇◇原発と核廃絶◇◇◇ これまで原発が推進されてきた主な理由は、低コストで大量の電気を供給