現代宇宙論の欠点は、時間と空間がどこから生まれてきたかを説明できていないことだ。この難題を解決しないかぎり、物理学は完成しないと多くの研究者が考えている。 ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ・バンクーバー)の物理学者Mark Van Raamsdonkは、「ある朝目覚めて、自分がコンピューターゲームの中で生きていたことを悟ったと想像してみてください」と話し始めた。そしてSF映画のような状況を説明していったが、彼にとって、現実について考える方法論の1つが、このようなシナリオなのだ。もしそれが正しいとしたら、「私たちの周りにある全てのもの、すなわち、三次元の物理的世界の全体が、どこか別の場所にある二次元のチップ上に符号化された情報から生じた幻影であることになります」と彼は言う。それはまさにホログラムのようなもので、二次元平面に記録された情報から、3つの空間次元を持つ私たちの宇宙を完全に再現