本連載では、昨年まで米ビジネススクールで助教授を務めていた筆者が、世界の経営学の知見を紹介していきます。 さて、ここ数年、米国では女性が内部昇進して大企業のトップに就任するようになってきました。たとえば先月15日には、ゼネラル・モータースのCEO(最高経営責任者)に生え抜きのメアリー・バーラ氏が着任しました。2012年には米IBMのCEOにバージニア・ロメッティ氏が就任しています。とはいうものの、やはりこういった方々は例外的で、女性経営幹部の数は米国でもまだ多いとはいえません。さらに、日本企業における女性の内部昇進の現状に至っては、説明するまでもないでしょう。 なぜ女性の内部昇進は少ないのでしょうか。そもそも社内に女性が少ない、子育てサポートなどの体制が足りない、といった制度的な問題が大きいのは言うまでもありません。しかし実はそれに加えて、組織の本質として女性にハンディキャップがあることも