≪子ども手当はばらまき≫ 鳩山内閣の“ハネムーン”期間が最終段階に差しかかっている。9月16日の組閣から数え、年末には100日を超えることになる。そのころには予算編成も終了していなければならないから、予算後の政策運営をどのように進めるか、政権としての議論を真剣に深める必要がある。内閣発足後の政治経済状況を総括すると、「高い内閣支持率」の持続と「経済の悪化」(デフレ、株安)という二つの姿が鮮明になる。 内閣発足後ここまでの推移をみるかぎり、政治的にはそれなりに無難な立ち上がりを示したとの評価が可能であり、一方で経済的には大きな問題を抱えながら有効な政策がないという結論になる。 まず政治的な評価から見よう。鳩山内閣は、まさに「パンとサーカス」の政治を成功させた、と言える。古代ローマの統治術に見るように、国民は生活の糧と見せ物に関心を示す。現内閣のパンは「子ども手当」であり、サーカスは「事業仕分