ある媒体に長い改憲論を寄稿した。 一般の目に触れることのあまりなさそうな媒体なので、ここに採録しておく。 改憲案の「新しさ」 改憲が政治日程に上ってきている。7月の参院選で自民党が大勝すれば、今秋以降には国内での合意形成めざした議論が始まるだろう。自民党や改憲勢力がいったいこの改定を通じて「何を」実現しようとしているのか、それをこの機会に確認しておきたいと思う。 自民党の改憲草案については、さまざまな批判がすでになされている。個別的な条文ひとつひとつについての適否は専門家による議論に委ねて、私としてはこの改憲案に伏流している「新しいものの見方」についてだけ考えてみたいと思う。護憲派の論客の多くは、改憲案の「復古調」に違和感や嫌悪を覚えているようだが、私はむしろこの改憲案は「新しい」という印象を受けた。その「新しさ」とは何かについて書きたい。 まず、今日本のみならずグローバルなスケールで起き