通常国会が17日、閉会した。野党は新型コロナウイルスの感染拡大に備える必要性などを訴え、会期を12月28日までの194日間延長することを求めたが、政府・与党は応じなかった。 この時期になると毎年、風物詩のように出てくる報道がある。「野党は内閣不信任決議案を出すのか」。そして、決議案を出しても出さなくても、その後に必ず「野党はだらしない」と冷笑する(批判ですらない)続報が出るところまでがお決まりだ。そんな紋切り型の野党批判はもう、今国会限りで脱却したい。(ジャーナリスト=尾中香尚里) ▽結果残した野党 今国会の野党は本当に「だらしなかった」だろうか。筆者はそうは思わない。衆参ともに与党側と圧倒的な議席差があるなかで、むしろその差を感じさせないだけの結果を残したのではないか。 まず、最大の懸案となった新型コロナウイルス感染症への対応だ。その多くが、野党側が先行して政府に対応を求めていたものであ