桐壺の巻2回目。まだ冒頭の部分をのんびりと読んでいます。 前回は、身分社会の宮廷において、さほど身分が高くない更衣が、帝の寵愛を一身に受けていることで、後宮という職場でパワハラ、モラハラを受けている、とまあ、こんな状況でした。 今回は桐壺の更衣の家庭環境についてです。 父の大納言はなくなりて、母北の方なむ、いにしへの人の由あるにて、親うち具し、さしあたりて世のおぼえ花やかなる御かたがたにもいたう劣らず、なにごとの儀式をももてなし給ひけれど、とりたててはかばかしきうしろみしなければ、ことある時は、なほよりところなく心細げなり。 桐壺の更衣の父親は正三位の大納言でありましたけれど、すでに亡くなっていました。 当時の貴族の女性の身分は、後ろ盾となる親兄弟、夫の身分に左右されたので、頼りの綱であった父親が亡くなってしまったために心細い立場であったのです。 父上の大納言は亡くなりましたが、妻である母
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