やなぎ:さすがにもう年の功か(笑)、いろいろなものがレイヤーになっているので、はっきりこれというのは難しいんですが、まず、学生の時に「原風景を探す」っていうのを結構、一生懸命やってたんですね。バックパックで旅行に行ったり。そのころ、中沢新一さんの『チベットのモーツァルト』が流行っていてね、それでチベットに行ったのが、人生最初の海外旅行。上海まで船で行って、2カ月ぐらい行ったんです。 近藤:あっ、僕も同じルートで行きました。鑑真号で行ってチベットまで。 やなぎ:えっ、そうですか、何年ですか? 近藤:わりと最近で、99年頃です。 やなぎ:私が行ったのは、88年なんですね。直後に大きな動乱が起こって、お坊さんがたくさん亡くなったんですよ。鑑真号で上海から入って…上海なんて今とは全く別の街ですから。雲南、桂林、成都まで行って、チベット、ヒマラヤを越えてネパールというルートです。 中国は、今とは別世