たとえば「人はなぜ太るのか?」。それは、ヒトが、元来は食物を多量に食べることができない環境に適応した動物だったからである——私たちが人間独自の性質だと信じている事柄の多くは、ヒトが「サル」から引き継いでいる。家族、政治、戦争、言語等々、人間性の起源をサル学から解き明かした初の好著。 西田 利貞(にしだ としさだ) 京都大学名誉教授.理学博士 (人類進化論) 1941年3月 千葉県生まれ. 京都大学理学部・同大学院に学び,東京大学理学部助手 (1969〜74),同講師 (74〜81),同助教授 (81〜88) を経て,1988年より2004年まで京都大学教授. 1965年からタンザニアのマハレでチンパンジーの行動学的・社会学的研究に携わり,1996年からは国際霊長類学会会長を務める. 【主な著書】 『精霊の子どもたち』 (筑摩書房,1973) 『野性チンパンジー観察記』 (中央公論社,198