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ブックマーク / manba.co.jp (21)

  • 「この世界の片隅に」監督・片渕須直インタビュー 調べるだけではだめだ、体験しないと! | マンバ通信

    写真:ただ(ゆかい) 現在公開中の映画「この世界の片隅に」。戦時中の日常生活を描いたこの作品の監督・片渕須直に、映画制作と原作の良さについて聞いたのだが、驚かされたのは徹底してリアリズムを追い求めるその姿勢だった。フィクションだからあいまいな描写が許されるというわけではない。その愚直な制作姿勢が、映画の主人公「すずさん」の実在感を支えているのだろう。そのすごい監督が「すごい」と絶賛する、こうの史代の原作についてもあわせて語ってもらった。 まず、体験することから始める ──原作を読んで感銘を受けたから映画化を決めたと思うのですが、具体的にどういうところが良かったんですか? 原作は上・中・下巻あるんですけど、上巻の4分の3くらいで決めちゃったんですよ(笑)。そこまでに描いてあるのは、すずさんが子供の頃の話。広島から呉にお嫁に来る話。お嫁に来たところでいきなりもんぺを作らなきゃいけなくなって、着

    「この世界の片隅に」監督・片渕須直インタビュー 調べるだけではだめだ、体験しないと! | マンバ通信
  • 老後2000万時代に読む藤子F「定年退食」、そして浅野いにお「TEMPEST」 | マンバ通信

    世相的な話から始めます。 金融庁が公表した「公的年金以外に老後資金2000万円が必要」という報告書は、大きな波紋を呼びました。政府はその報告書を受け取らない=なかったことにしたわけですが、そのインパクトはすさまじく、「年金だけで暮らすのはもう絶対無理なんだな……」というのが国民の間に暗黙のコンセンサスとして根付いた感はあります。実際あちこちの雑誌やウェブサイトで「どうやって2000万円ためるか」みたいな特集やってるし、NISAiDeCo始める人も増えたらしいし。 というか「老後2000万円」って絶対、2019年の流行語大賞にノミネートされますよね。なんなら大賞取るかもしれない。それくらいインパクトのある言葉でした。 で、このニュースを見たときに、こう思ったのです。 「藤子・F・不二雄の『定年退』の世界が、ついに現実化した」と。 僕だけじゃない。「定年退」を読んだことのある人はきっと全

    老後2000万時代に読む藤子F「定年退食」、そして浅野いにお「TEMPEST」 | マンバ通信
  • 『ボボボーボ・ボーボボ』に出てくる均質な木 | マンバ通信

    夏の終わりに失礼します。 今年、皆さんは夏らしいことをしたでしょうか。 海へは行かれましたか。 早起きして運動しましたか。 或いは、かき氷なんかべて頭が痛くなったりしたでしょうか。 ほう。ずっと家にいたから何もしていないんですね。 では、代わりに頭の痛くなるマンガを読んであの感覚を味わいましょう。 頭の痛くなるマンガといえば、そう、『ボボボーボ・ボーボボ』ですよね。 『ボボボーボ・ボーボボ』とは 『ボボボーボ・ボーボボ』は、2001年より週刊少年ジャンプで連載されたギャグマンガです。 ストーリーはあってないようなものですが、毛の国出身のボーボボが敵組織の毛狩り隊とバトルしていくという内容です。 突拍子もないような展開の数々で、記憶に残るような名場面を生み出してきました。 2003年から2005年にかけてアニメ化、さらには複数のタイトルに渡ってゲーム化もしています。 一気に読むことで、ギャ

    『ボボボーボ・ボーボボ』に出てくる均質な木 | マンバ通信
  • ドラゴンボールの世界は芸能界に似ている | マンバ通信

    芸能界というのは、生き馬の目を抜く世界である。そこでは生存を賭けた厳しい競争が日常的に行われている。新たな芸能人が次々とテレビに登場しては消えていく。長期に渡って生き残るのは一握りの人間だけ。だからこそ、「来年消えそうな芸能人」という残酷な発想もあるし、「あの人は今」なんて企画も生まれることになる。 こんな話がどのように『ドラゴンボール』とつながるのか? ドラゴンボールという作品ほど各キャラクターの浮き沈みや入れ替わりが激しい漫画はない。だから私は、この漫画を「芸能界に似ている」と感じる。ドラゴンボールのキャラクターを芸能人だと考えてみれば、そこにひとつの芸能界が生まれるのである。 たくさんの魅力的なキャラクターが登場した(『ドラゴンボール』42巻最終ページ) キャラクターの初登場シーンは「デビュー」に相当する。たいていは鮮烈なデビューを飾る。たとえば天津飯というキャラクターを見てみよう。

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  • 職を失ったとき、俺はいつも松本零士『聖凡人伝』を読む | マンバ通信

    『聖凡人伝』 私事ですが、当方このたび、ここ2年くらいメイン収入にしていた職を辞して概ね無職になりました(2年ぶり7回目。まあ書き物の連載が僅かにあるので厳密には無職じゃないですが)。理由は、たぶん対人関係のストレスが原因と思われるうつ病です(「森久保々々もりくぼボボ」とか「3Pトライアドプリムス」とか文中に出てくる下劣なシンデレラガールズ二次創作を書いてるような人間でもうつ病になるときはなるんすよ、マジで)。いやー人間の3大欲求が完全にバカになってしまいまして、特に欲がヤバいことに。腹がなんか全然減らないし、何かべようと駅前に出ても何をべるか決められなくてそのまま帰ってしまったりするし、何をべても吐きそうになるので「べろ! 死ぬんだぞ!(バンバン)」と無理やり飲み込んだりしなきゃいかんしという生活をしてたら、運動もろくにしてないのに半年で体重が10kg以上減って、誰かと闘ってる

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  • 『御意見無用』復刊記念・ありま猛氏インタビュー あだち兄弟にギャンブル漬けにされたお陰で『連ちゃんパパ』は生まれた? | マンバ通信

    『御意見無用』復刊記念・ありま猛氏インタビュー あだち兄弟にギャンブル漬けにされたお陰で『連ちゃんパパ』は生まれた!? 『御意見無用』 ——今回は、ありま先生の初期麻雀漫画『御意見無用』がこのたび、KADOKAWAさんのヒューコミックスから40年ぶりに復刊されたということで、インタビューをさせていただきます。これ、最初の掲載誌は『近代麻雀オリジナル』(竹書房)じゃなくて『スポコミ』(一道社※1)ですよね。作品タイトルも「苦労賭けます」で。 ※1 81年6月号創刊。一道社は元『少年画報』編集長・金子一雄氏が経営していた会社で、70年代は編集プロダクションとして活動していたが、この年で会社解散。 『スポコミ』創刊号 ありま そう、出してた会社がすぐ潰れちゃったんですよね。 ——2号くらいで。 ありま 「創刊号」「廃刊号」みたいな。「何だ、せっかく描いたのに」って思ってたら、竹書房の方で「うちで

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  • 遠回りが実ったマンガ家への道「王様ランキング」goriemonインタビュー – マンバ通信

    今年8月にSNSで突然ブレイク、今もっとも更新が待たれるWebマンガ「王様ランキング」。その作者・goriemon(*当時。現在のペンネームは十日草輔)にインタビューをおこなった。 「たぶんこれがデビュー作だと思うけど、いきなりこんなクオリティの作品を描けるって、いったいどんな人物なんだろう?」と思っていたら、取材場所に現れたのは……。 「王様ランキング」とは… 耳が不自由で非力な王子ボッジが多くの人と出会い、成長していく物語。投稿サイト「マンガハック」にて更新中(ほか「ニコニコ静画」「マンガボックスインディーズ」でも公開)。「次にくるマンガ大賞2018」Webマンガ部門ノミネート作品。 40代で会社を辞め、マンガ家の道へ ──(あれ? 思ってたよりも……) 意外と年取ってて驚いたでしょう(笑)? 僕、43歳なんです。 ──HPに「2016年に会社を辞めてマンガを描き始めた」と書いてありま

    遠回りが実ったマンガ家への道「王様ランキング」goriemonインタビュー – マンバ通信
  • ポプテピピックの声の時間(1) | マンバ通信

    ポプテピピックはもちろん単純に楽しいマンガで、読んでいるととにかく絵とフレーズが頭にこびりつくので、ところてんつ~くろ、とか、マイセコー!とか、一読しただけでも口をついて出てしまうほどなのだが、その一方で、あちこち考えがいのあるマンガでもある。なぜなら、4コマを成り立たせている要素が一見するととても限られているからだ。 たとえば単行の最初の4コマを見てみよう。 1コマ目ではポプ子が「えいえい」と言っており、ピピ美の左にはドカドカとかなり激しい音がしている。そして2コマ目では「おこった?」「おこってないよ♡」。これだけだ。強いて言うなら、ポプ子の「おこった?」と言う口元は開いているのに対し、ピピ美の「おこってないよ♡」という口元は閉じたままであり、それが「おこってないよ♡」ということばとは裏腹に不気味ではある。 そして、4コママンガであるにもかかわらず、この最初の2コマが、次の3,4コマ目

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  • ピッコロさんのダンディズムについて | マンバ通信

    年をとってから『ドラゴンボール』を読み返して気づくのは、ピッコロという男の不思議な魅力である。この男は作品世界のなかですこし特殊な立ち位置にある。ピッコロというのは「大人の男」なのである。 永遠の子供である孫悟空を中心に、どちらかといえば子供っぽさが魅力になっているキャラクターが多いなか、ピッコロの魅力は得がたいものである。そこには「男がホレる男」という雰囲気がある。だれのことを兄貴と呼びたくなるかといえば、私はピッコロのことを兄貴と呼びたい。 たとえば高校生の自分が運動部に入ったとして、三年の先輩にピッコロがいてくれると嬉しい。もちろん入部当初は一人だけ顔が緑色の先輩がいることに面喰らうだろうし、「あの人、腕がもげても自力で再生できるらしいよ」という噂をきいて、一時的に距離を置くこともあるだろう。しかしピッコロ先輩の引退試合では、後輩の全員が自然と涙をながしている。ピッコロというのは、そ

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  • そしてベジータは大人になった | マンバ通信

    上田啓太さんによる、大人気シリーズ “『ドラゴンボール』に登場するベジータについての考察” 後編。これまでの考察については「前編」「中編」をどうぞ。 ベジータに関する話の後編である。 前編では、残忍な男として登場し、あらゆる命をゴミのように扱う初期ベジータを見た。そして中編では、悟空に敗北したことで劣等感をかかえ苦悩するベジータを見た。 今回は、作中最後のシリーズである魔人ブウ編を見ていく。前編と中編で提示したベジータの問題、すなわち残忍性と悟空へのコンプレックスは、ふたつの有名なセリフとして結実する。 「トランクス、ブルマを、ママを大切にしろよ」 「がんばれカカロット、おまえがナンバーワンだ」 どちらも名場面として語られることが多い。ベジータという男が葛藤の果てに辿りついた場所だからだろう。しかしまあ、あせる必要はない。まずは魔人ブウ編におけるベジータをゆっくり見ていくことにしよう。 ベ

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  • 劣等感は切ない ベジータの孫悟空コンプレックスについて | マンバ通信

    上田啓太さんによる、大人気シリーズ “『ドラゴンボール』に登場するベジータについての考察” 中編です。(まずは「前編」をどうぞ。) 悟空とベジータは永遠のライバル。なんとなく、そんなふうに思われている。しかし私はこれほどアンバランスな関係をライバルと呼んでいいのかわからない。当にこの二人をライバルと言っていいんだろうか? 要するに、ベジータが悟空を思うほどには、悟空はベジータのことを思ってないんだが、それでも二人は「ライバル」なのか? そこにあるのは「互いに刺激しあう二人の男」なんてものじゃなく、「勝手に強くなっていく悟空と、それを見てジタバタするベジータ」なんだが、そんなものが「ライバル」なのか? 悟空とベジータの関係を象徴するセリフ。(『ドラゴンボール』33巻p.92より) ありもしない悟空の内面を読んでしまうベジータ 初登場時、ベジータは悟空より強かったと言っていい。最後は敗北する

    劣等感は切ない ベジータの孫悟空コンプレックスについて | マンバ通信
  • 残忍だった頃のベジータの圧倒的キャラ立ちについて | マンバ通信

    ベジータについてならばいくらでも書ける。そんな確信がある。 孫悟空については書けない。孫悟空は空白だからである。内面がないからである。無について何かを書くことはできない。しかしベジータについては書ける。ベジータほど作中において変化していった人間はいないからだ。その変化を追っていくだけで文章は生まれる。 (『ドラゴンボール』22巻p.131より) 我々はベジータのことを何だと思っているか? 妙なハゲ方をしたサイヤ人だろうか? そうかもしれない。しかし今は髪型にはふれない。私が考えるのはベジータという男の内面である。そのためにベジータを前期・中期・後期に分ける。 それはベジータが「人間性」を獲得していく過程である。しかし焦るのはよそう。とりあえず今回の記事では前期だけを扱う。作中でいえばサイヤ人編における初登場からフリーザ編中盤あたりまでのベジータ。この時期のベジータには一切の「人間性」がない

    残忍だった頃のベジータの圧倒的キャラ立ちについて | マンバ通信
  • わずか13ページの心理劇 さくらももこ『永沢君』 | マンバ通信

    さくらももこの『永沢君』を読み返した。『ちびまる子ちゃん』に登場する「永沢」を主人公に据えた漫画である。「タマネギ頭のあいつ」と言えばピンとくる方も多いかもしれない。1995年の作品で、単行一冊にまとめられている。 『ちびまる子ちゃん』は小学校が舞台だが、『永沢君』は中学校の話。ここに大きな違いがある。登場人物はみな思春期を迎えているのだ。恋愛と自意識。ちびまる子ちゃんにおいてはあまり語られることのなかった二つが前面に出てくる。それが「クラスのすみっこにいる冴えない男子」である永沢を中心に描かれる。 『永沢君』は基的に一話完結で、どの話も非常に面白い。この記事では、その中でも出色の出来である第5話の『性格』を読んでいきたい。微妙なレベルの人間心理を扱った名作である。以下、たった13ページの漫画で3000字ほど書いちゃってますが、まあ、それだけ名作だということで。 「永沢君の性格はよくな

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  • 『スラムダンク』の真のヒロインは赤木晴子ではなくバスケである | マンバ通信

    スラムダンク』に恋愛の要素は少ない。「桜木→晴子」、「宮城→彩子」の片思いが戯画的に描かれるだけだ。なぜか? スラムダンクの男たちは、「女」ではなく「バスケ」に恋をしているからである。そして物語冒頭の桜木花道だけが、「バスケ」ではなく「女」に恋をしている。 この記事は、「スラムダンクの真のヒロインは赤木晴子ではなくバスケである」というムチャな理屈をゴリゴリと押し進めていくためのものである。この作品は、主人公である桜木の気持ちが「晴子」から「バスケ」へと移る過程を描く「異色の恋愛マンガ」として読むことができるのである。 流川はバスケとの熱愛を続ける男である 基的なことを確認しておきたい。物語の主人公である桜木花道は高校一年生。万年フラれ男の異名をもつ。そんな桜木が赤木晴子という女に出会い、ひとめぼれする。晴子はバスケ部員を探しているという。桜木は「晴子さんに好かれたい」という一心で、バス

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  • ドラゴンボールのヤムチャが、ザコとしての地位を確立できた理由 | マンバ通信

    ドラゴンボールのヤムチャは、ザコキャラとしての地位を確立している。 そんなもん確立してどうすんだ、という意見はもっともである。ザコとして有名になってどうするのか。そんな名前の売り方があるか。しかし、ザコの代名詞になるのも立派なことなのである。多くのキャラクターは記憶にも残らずに忘れられていくのだから。 この記事では、ヤムチャが有名なザコであるということを前提に進めるが、いちおう証拠をあげておく。しばらく前にヤムチャのフィギュアが発売された。サイバイマン戦で敗北した直後、地面に横たわるヤムチャをフィギュア化したものである。 こんなフィギュアは、ザコとしての地位を確立していない人間には絶対に出せない。いちばんみじめな姿を商品化されること。そこにカネを取れるだけの需要まで生まれていること。これはザコキャラにとっての「あがり」である。中途半端なザコには、とても真似できない。 ということで題に入る

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  • 男子中学生は何を欲望するか? 許斐剛『レンタルボディーガード COOL』 | マンバ通信

    許斐剛の描くかっこよさは、いつも微妙にズレている。その微妙なズレが、読者をますます夢中にさせる。「微妙なズレ」というのがポイントで、自覚的にズレたものを描くならば、ギャグ作家になるわけである。 許斐剛は「自分がかっこいいと思うもの」を読者にむかって投げる。それは受け手の出したミットの位置から少しズレている。受け手のミットの位置を予測して、ズレたところに放り投げるのがギャグ作家だとすれば、許斐剛は、全力で投げたボールがミットから少しズレているのである。 許斐剛の代表作といえば『テニスの王子様』だが、今回は『レンタルボディーガード COOL』という作品によって、許斐剛的かっこよさとは何かを考えてみたい。『COOL』は1997年に週刊少年ジャンプで連載された作品だが、短期間で打ち切りにあってしまう。そして1999年、次作である『テニスの王子様』が始まる。 その意味で、『COOL』は「ジャンプ打ち

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  • 孫悟空とは何者だったのか? | マンバ通信

    ベジータについて書きはじめた時、孫悟空は空白だと書いた。その意味を考察しなければならない。「空白」とはどういうことなのか。孫悟空という男は、いったい他の人間となにが違っているのか。孫悟空とは何者だったのか。 孫悟空について考えるには、「この男には何があるのか」ではなく、「この男には何がないのか」を見たほうがいいと私は考える。普通の人間がもつ色々なものが悟空には欠けており、その欠落こそが悟空という男の個性を形作っているからだ。 (悟空とは何者なのか。『ドラゴンボール』35巻3ページ) 悟空には「帰属意識」がない ベジータは悟空に、「サイヤ人の生き残り」としての同胞意識を持っている。ピッコロが神と融合してすさまじい力を得た時、ベジータは心のなかで悟空に語りかける。 「どいつもこいつも…!! 宇宙一の超サイヤ人をあっさり出し抜きやがって…!! アタマにくるぜ…!! なあカカロット…」 非常にベジ

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  • 島耕作のスピード感は、『君に届け』を2コマで置き去りにする | マンバ通信

    人生、一寸先はセックス。 『課長島耕作』シリーズを読んでいると思うことである。とにかく次の瞬間に何が起こるのか分からない。人は突如としてセックスをする。そこで浮かぶのが冒頭の言葉だ。人生、一寸先はセックス。これが真実だったのか。 もっとも、「島耕作にとっての人生は」と言ったほうがいいかもしれない。私はべつに一寸先がセックスの人生を送っていない。たいていの人もそうだと思う。島耕作という特殊なサラリーマンにとってのみ、人生一寸先はセックスなのである。当にこの人は、油断すると女と寝ている。 さて、一方で『君に届け』というマンガを読んでいると、この世にセックスなど存在しなかったような気がしてくる。なにか悪い魔導師にだまされて、われわれは性行為で子供ができると勘違いしていたのではないか。人類は当は、手をつなぐことで子供を生んでいたのではないか。 しかしふたたび『島耕作』のページをめくれば、人類は

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    kommunity
    kommunity 2018/02/26
    先日のアメトーク島耕作芸人でも出てきた”セレブレーションファック” 言葉の意味は良く分からんがとにかく凄い自信を感じる
  • どおくまんインタビュー[前編]「プロには絶対負ける気がしない、って思ってた」 | マンバ通信

    たしかに一時代を築いた大作家であるはずなのに、どおくまんについてのインタビューは驚くほど少ない。ならば自分がインタビューしよう。ただそれだけの動機で大阪まで足を運び、どおくまん、そしてどおくまんプロの小池たかし、みわみわにインタビューをおこなった。どおくまん作品の圧倒的なオリジナリティはどこから来るのか不思議でしょうがなかったが、話を聞いていくうち「徹底的に独学であること」にヒントがあるのではないか、と思うようになった。まずは前編をどうぞ。 描き方がわからないまま、筆一で描いた ──もともと一千万円の賞金が欲しくて、マンガ賞に応募したのが最初なんですよね。その時は一人で描いていた? どおくまん 一人も何も、まだ何もやってないよ。運動だけしかやってない(笑)。ただ、「何かしないとダメやな」っていうのボヤッとあるわけです。将来の夢がまだ何だかわかんない頃でね。マンガは好きやったけど、ちゃんと

    どおくまんインタビュー[前編]「プロには絶対負ける気がしない、って思ってた」 | マンバ通信
  • ドカベン31巻のすごさについて言いたくて……夏 | マンバ通信

    最初に結論を言いますね。 「ドカベン」31巻は、「ドカベン」シリーズ史上最高の巻である。 水島新司「ドカベン」31巻 (少年チャンピオン・コミックス) 自分と「ドカベン」との出会いは高校生のとき。古市で32巻セットを買って、そのときはそれが全巻セットだと思っていたんですけど、32巻は殿馬が世界的な指揮者アルベルト・ギュンター氏のもとへ旅立つところで終わり。調べたら、チャンピオンコミックスの「ドカベン」って全48巻なんですよ。「古売った人、中途半端なところで買うのやめたんだなー」と思いながら、続きを買い足し、48巻まで読み切ったとき。 とつぜん売り主の気持ちがわかってしまったのです。 「31巻だ。31巻があまりにもよすぎたから、それ以降のストーリーが色あせて見えて、買う気がなくなってしまったに違いない」と。 売り主の気持ちというか、つまりは僕の気持ちなんですけども。 もちろん31巻以降も

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