節目は2012年。この年がどういう年かといえば、細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』があり、庵野秀明総監督の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』があり、長峯達也監督の『ONE PIECE FILM Z』があった――と固有名詞を並べれば、おおよその想像がつくのではないだろうか。 この年、スタジオジブリ作品が不在でありながら、アニメ映画の興行収入合計が初めて400億円を超えたのである。そしてそれ以降、アニメ映画の興行収入は400億円を下回ったことがなく、多い年では600億円を超えることもある。 この背景にシネコンの定着、アニメ映画の制作本数の増加といったビジネス状況の変化があることは間違いないが、それをここで論じるのは止めておこう。 ここでまず目を向けたいのは「スタジオジブリの90年代」「活況の10年代」の間に挟まれたゼロ年代であり、この時期は10年代を担う作り手たち、10年代を牽引するシリーズ
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