慌てふためく人類を余所目に見ながら、当然のごとく春はやってきた。 妻は4月から育休中が明けて仕事に復帰する。彼女は中学校の理科の教員である。「授業で使う教材を採集したい」というので、家族で近所の公園にお出かけした。 桜が咲き始めている。 公園の池に近づき、身をかがめて水を採取しようとする妻に「落ちないでね」と言ったら、「そこまでアホじゃない」としかめっ面。教材のために、膝を地面につき、ペッドボトルに汚れた水を汲む熱意に感心してしまった。 家に帰ると、妻は顕微鏡を取り出した。僕が先日のホワイデーにプレゼントした顕微鏡である。 レイメイ藤井 顕微鏡 ハンディ顕微鏡DX イエロー RXT300Y メディア: オフィス用品 彼女は、採取した池の水をプレパラートに垂らし、顕微鏡を覗くという作業を何度か繰り返した後、「いた!」と叫んだ。この顕微鏡、接眼レンズに、スマホのレンズを重ねることで、拡大された