東日本大震災に伴う大津波で、町の中心部をほとんど失うという甚大な被害を受けた岩手県大槌町で、2011年12月22日に新しい書店がオープンした。店名は「一頁堂(いちぺーじどう)書店」、売場面積60坪の独立系書店で、開業したのは書店経験のない、これまで会社員だった人である。 大槌町には震災前に2軒の書店があったが、大きな被害を受けて両店とも再開を断念。このままでは書店が1軒もなくなってしまうと、新規に書店を開業することを決意したという。 被災地域ではいまでも60軒余の書店が再開できず、このうち20軒ほどが廃業・撤退を決めている。そういう場所では、書店がない地域が増えてしまう懸念もあるだけに、一頁堂書店が経営を継続できることを願いたい。 ところで、被災地を別にしても、このところ書店の新規開店をほとんど耳にしない。もちろん、新しい書店ができてはいる。しかし、ほとんどがチェーン書店系の支店で、