「双葉郡民を日本国民と思っていますか」。会議の席上、野田佳彦首相にそう詰め寄ったという福島県双葉町の井戸川克隆町長(65)。東京電力福島第1原発がある町は警戒区域に指定され、住民は今も出口の見えない避難生活を続ける。発言に込めた思いを聞こうと、仮の役場が置かれている避難先、埼玉県加須市を訪ねた。【井田純】 ◇「帰ろう」と言えない 「放射能まみれ、もういや」 冒頭の発言があったのは今月8日、福島市内で開かれた「原子力災害からの福島復興再生協議会」でのこと。放射能に汚染された土壌などを保管する「中間貯蔵施設」を双葉郡内に設置することを改めて要請した野田首相への問いかけと報じられた。 井戸川町長は双葉郡の8町村長の中で唯一、同施設の受け入れ反対を明言していることでも知られる。双葉町と隣の大熊町は原発の所在地で放射線量が高く、施設の有力候補地とみられている。 「何も、絶対に引き受けないと言ってるわ
◇「意欲低下し農地荒廃」 福島県の11年産米緊急調査で放射性セシウムが4月適用予定の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えた地区があった12市町村のうち、11市町村が「100ベクレル超500ベクレル以下」の地区での今春の作付け制限に否定的なことが毎日新聞の取材で分かった。うち4市町は現行の暫定規制値(同500ベクレル)を超えた地区でも作付けを認めてほしいとした。農林水産省は自治体の意向を踏まえた上で2月中にも作付け制限計画をまとめる方針だが、調整は難航しそうだ。 12年産米について、農水省は500ベクレルを超えたコメが収穫された地区での作付けを制限する方針を打ち出している。100ベクレル超500ベクレル以下の地区については、100ベクレル超の農家が密集する地区では制限し、戸数が少なければ作付けを認める方向で各市町村と協議を進めている模様だ。 取材に対し、12市町村のうち二本松市は回答
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