文・高畑 和弥(日立総合計画研究所電子政府プロジェクト・リーダー) WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトで実施する作業を細分化し、階層構造で示した表のことです(表)。プロジェクトの工数をより正確に見積もると同時に、プロジェクトの対象範囲を厳密に定義することを目的に作成します。 WBSの作成は、プロジェクト管理全体の基盤となる活動といえます。というのも、WBSを作成して見積もった工数は、進ちょく管理やコスト管理、人員配分計画を決める際の基本的なデータとして利用されることが多いからです。下の表は、最もベーシックな設計・開発段階のWBSです。これに、担当者名や予定した工数、実際に終わった工数、作業中かどうかなどの状態を書き加えて利用します。 WBSを作成するメリットは、大きく2点あります。一つは、作業の抜けや重複を防ぐことが可能となり、工数の見積もりや進ち