中国上海市の水源の川、黄浦江で豚の死骸が大量に見つかった事件で、回収された死骸は1万匹を超えた。多くの市民の不安をよそに市当局は水質汚濁を一貫して否定、流出源とされた自治体の当局も原因の一部を認めただけで、発生から一カ月近い30日になっても、責任の所在は明らかになっていない。病死豚肉の流通疑惑や行政の不手際も相次いで浮上し、問題は混迷を深めている。(田中靖人) 隠蔽疑惑 中国国営新華社通信(電子版)が20日に配信した記事などによると、豚の死骸が発見されたのは5日。市の水上清掃員が約20匹を回収したが、黄浦江では毎年3千~4千匹の死骸が流れ着くため、上司に報告しなかったという。 だが、今回は死骸の多さに驚き8日になって関係部署に報告。同日には中国版ツイッター「微博」に写真が掲載されてネット上で広まったものの、上海市当局は10日になるまでメディアに情報を知らせなかった。記事は「情報発信の方法に