ジェットコースターのような乱高下する人生は、友達のユウくんに誘われて、キャンプに参加したところから始まった。季節は秋。1泊2日のキャンプに、私は「暇だし」という理由で、特に期待する事なく参加した。私も含め男女8人が東京郊外のキャンプ場に集まったのだけど、私の知り合いは誘ってくれたユウくんだけ。私の他に女子が1人いて、残った5人の男の中に「彼」は居た。 やや小柄でモンベルの緑のアウトドアウェアを着ていた彼は、天然パーマのくせ毛で、ちょっとだけ前歯が出ていた。 「サッカー日本代表の遠藤に似てるね」 そう言ったのを今でも覚えている。その時の彼の返事は、 「前歯だけだろ」 というものだった。嬉しそうでも悲しそうでも恥ずかしそうでもない、それが私達のファーストコンタクトだった。 午前中に都心を車で出発して、東京郊外のキャンプ場についたのは午後3時頃。一番最初にしたのは、みんなでテントを建てる事だった