──沖浦監督がプロダクションI.Gの石川さんに持っていったという、『ももへの手紙』の元となる「女の子と妖怪の話」の企画、おふたりにとっても興味深いものでしたか? 【安藤】 前作が『人狼 JIN-ROH』だったので、それと比べると驚きというか、意外性がありましたが……、純粋で真っ直ぐなストーリーだと感じました。沖浦さんが『アルプスの少女ハイジ』とか『母をたずねて三千里』が好きだというのを聞いていたので、やはりそういうものがやりたかったのかと納得する部分もありましたね。 ──企画から完成まで7年という歳月がかかっていますが、制作としてはどのくらいかかっているのでしょう? 【安藤】 7年間のうちの最初の2~3年は、監督やプロデューサーだけの作業。作画チームが関わり始めるのは具体的に画にしていく段階、後半の4年間ですね。 【大野】 背景を描くうえでは、制作に入る前に何度か瀬戸内にロケに行きました。