最近、大学生と話す機会があった時に、こんなことを聞いた。 「去年の夏、運転免許を取りに行ったんです。でも、チンピラみたいな教官の路上教習が怖くて、途中で通うのをやめてしまったんです…。」 なぜ自動車教習所の教官は、あんなにも態度が悪い人が多いのだろう。 そもそも民間人なのに、“教官”などと呼ぶ慣習があることも気に入らない。 タメ口は当たり前で、怒鳴り、命令口調で指示し、タメ息でプレッシャーを掛けるなど、指導者としてあらゆるタブーをブチ込んでくる。 「そんなことはない。最近は褒めて伸ばすのが売りの教習所もある」 そんな意見もあるだろうか。 しかしそんなことは当たり前で、売りになることそのものが、業界の異常さを表しているというものだ。 お客様にタメ口で話し、威圧的に商品を提供することで成立する民間のサービスなど、他に何があるのか。 私が免許を取った30年ほど前の、苦い思い出のこと。 ある日の路