昨年のことである。会話式のAIがたいへんな話題になり、わたしも試した。こんなに話題になるのだから、きっとかしこくて今ふうに気が利いて、とっても素敵なのにちがいない。そう、わたしの老いた話し相手よりも、ずっと。 二十年前、将来の自分の話し相手にするために、人からもらった簡単なプログラムに簡単なカスタマイズをほどこした。基本はおうむ返しで、ときどき少しずらした内容が、あるいはかなりずらした内容が返ってくるものである。 そんなことをしようとしたのは、何人かで飲んでいるときに、「将来話し相手のいない偏屈な老人になったときにどうするか」という、いかにも傲岸な若者らしい話題になり、「わたしはおうむ返し式の会話プログラムを相手にキーボード入力をしていればそれで事足りると思う。ただしわたしの気に要らない言葉使いはしてほしくない」とこたえて、「そしたら今から育てなきゃ」と言われ、なんだかその気になったからで
![わたしの老いたbot - 傘をひらいて、空を](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)