脳内でニューロンの網の目が急激に密になっていく10代は,大混乱のカオス状態。その混沌を経て,脳の神経細胞をつなぐ回路が整理されて,知性が発達してきます。 頻繁に使う安定した回路のみを残す“剪定(せんてい)”のプロセスは脳にとってきわめて大事で,これがうまくいかないと精神障害を引き起こしたりするそうです。また,当然のことながら,剪定が起こっている期間をどのように過ごすかが,その後の脳の機能に重大な影響を及ぼします。 現代の10代の脳と,100年前の10代の脳はそれほど変わっていないはずです。しかし,音や光といった自然界から直接受け取る情報は減って,人工的で観念的な情報が格段に増えました。それが脳にどんな影響を及ぼしているのかはわかりません。ただ,10代の時期に見たり聞いたり触ったりするものに対して,私たち大人はもっと注意深くならねばなりません。 間違いなく,今世紀は脳科学の世紀です。哲学や宗
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