おぃ、そーた。 そーたっ! おぃっ! こっち来てみろ。 いいからっ! とにかくこっち来いって。 また母ちゃんの事でからかわれたんか? そんじゃあ、麦茶、飲むか? キンキンに冷えたのがあるからよ。 おぃ、そーた。 分かってると思うが、おめぇは何にも悪くねぇんだぞ。 あいつらがどーだこーだ言っても、本当は何にも分かっちゃいねぇんだからよ。 それに、おめぇの母ちゃんだって悪くねぇ。 心配すんな、この前の三月の時と同じで、またすぐ帰ってくっからよ。 なぁ、そーた。 どんな理由があってもよ、一対一でやらねぇ奴は、その時点で負けだぞ。 男としてじゃねぇ。 人間として、負けてんだ。 おめぇのこと、小突いて蹴飛ばしたあいつらは、おめぇを囲んだ時点で負けてんだよ。 本当だぞ。 どんなにやられたって、おめぇの勝ちだ。 でも、痛ぇよな。 うん、痛ぇ。 例え勝ったって、ぶたれりゃ、悔しいもんだ。 あのよ、おじさん