容疑の物証を示さずに逮捕する警察。脅迫的な取り調べを行う検察。それを追認する裁判所。今回で改めてわかった。日本の刑事司法は何も変わっていない。 可視化に絶対応じない 「私は無実です。遠隔操作ウイルスを作ったり、使ったりしたことはありません。他の4人の誤認逮捕された方たちと同じどころか、ハイジャック防止法違反などという大きな疑いを掛けられて、とても困惑しています。拘束された現在の状態は私も辛いですが、家族はもっと辛いと思います。早く無実だとわかってもらい、自由になりたいです」 遠隔操作ウイルスによる「PCなりすまし事件」で容疑者として逮捕された片山祐輔さん(30歳)は、3月21日に行われた勾留理由開示公判で、やや早口になりながら、しかしはっきりとこう述べた。 片山さんは13時32分、手錠と腰縄を掛けられて、東京地方裁判所818号法廷に入廷。濃紺のボーダーシャツにシワの目立つチノパンをはき、髪