1 駅に自転車をとめて鍵をかけないと高い確率で盗まれるという認識である。手痛い経験もある。傘を盗む・自転車を盗む人たちの国、日本。モラル底辺の国だ。国際スポーツ大会で試合後ゴミを拾うから俺たち民度の高い国、という自慢話を聞くたび「は、傘を盗み、自転車を盗む連中が」と冷笑する。 私自身は、傘も、チャリも、盗んだことはない。窃書は罪ならず、と言いますが、本を(またその他を)万引きしたこともない。基本的には、それは、悪果がこはいからである。確証的な完全犯罪であれば、それをしない理由はないであろう。 私の品性は、たぶん、一般的な日本人より、なお一層下等である。なるほど目に見えた盗みは行わない。だが盗み的思考は染みついて常習している。 たとえば今わたしがモスクワに渡るということを想像してみる。出張を命じられたとする。私はいやだ。テロリストどもの(つまりは、自分が道徳的に許せない人たちの)巣窟に足を踏
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