今から十数年前、48歳という若さでこの世を去った“伝説のA&Rマン”吉田敬さん。吉田さんと長年様々なプロジェクトを共にしてきた黒岩利之氏が筆を執り、同氏の仕事ぶりを関係者への取材をもとに記録していく本連載。第7回となる今回は、コブクロの黒田俊介と小渕健太郎へのインタビューが実現した。彼らが吉田さんや当時のレーベルスタッフとともに信頼関係を築きながら生み出してきた数々のヒット曲の裏側について、貴重な話を聞くことができた。(編集部) 第6回はこちら コブクロと敬さんの出会い〜「ここにしか咲かない花」をきっかけに深めた信頼 今年もこの季節がやってきた。例年に比べるとまだまだ暑い日は続くが、気持ち悪いぐらい澄んだ秋の青空を見上げると、どうしても13年前のあの日のことを思い出す。 そんな、10月に入ったある日、僕は新幹線で大阪に向かった。敬さんが、ワーナーミュージック・ジャパンの社長に就任して初めて