択捉島などを管轄するクリール行政府の一室には、壁に択捉島(左)とウルップ島などを一体的に管轄していることを示す地図が掲げられていた=2日、択捉島・紗那(酒井充撮影) 日本固有の領土、北方四島に在住するロシア人との交流を目的とした元島民ら日本人によるビザなし訪問(団長・大塚敏夫連合総合組織局長、63人)が6月30日〜7月4日の5日間、行われた。訪れた国後、択捉両島は原油高騰の好景気を後ろ盾にした経済計画で着実にロシア化が進むと同時に、日本の影も確実に消えつつあった。主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)期間中の8日に行われた日露首脳会談でも、問題解決に向けた大きな進展はなかった。そんな“異国の地”と化しつつある両島の現状を3回にわたりお伝えする。(酒井充) 記者にとって初めてのビザなし訪問で、最初に待ち構えていたのは予想外の手続きだった。6月30日の出発にあわせ、前日に船の出港地となる北海道