PSYCHE(プシュケ) (唐辺 葉介) 唐辺 葉介。まったく無名の新人作家が今、ネット上で注目を集めている。 「しかしこの家は気持ち悪いな。きみの内臓のなかにいるみたいだ」彼の正体をめぐって噂が流れている。ノベルゲームライターを引退した瀬戸口廉也ではないか、と。声優・榎津まおの日記(7/31)をもって、確定という意見もあるが……。一部に熱狂的な人気をほこるライターだけに、消えていくのを惜しむ声は多かった。ファンの願いが叶ったのなら、それに勝る出来事はない。 いずれにしても、この新人がおよそ新人らしからぬ、飛び抜けて異様な(グロテスクな)小説を書き上げたのは事実だ。はっきり言っておこう、本書は決して、心身が疲れている時、心が鬱な状態で読んではいけない。最低の体調で、最悪の劇薬を口にするようなものだ。引き込まれるぞ! 部屋から出られなくなりかねない。 表紙の冬目景のイラストに惹かれる人もいる