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ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (6)

  • 悪の凡庸さについての報告:カンボジアのケース - 梶ピエールのブログ

    きちんとした感想を記すにはインドシナの歴史について知らなさ過ぎるわけですが。 ポル・ポト―ある悪夢の歴史 作者: フィリップショート,山形浩生出版社/メーカー: 白水社発売日: 2008/02メディア: 単行購入: 2人 クリック: 139回この商品を含むブログ (37件) を見る ポル・ポト。誰もがあの忌まわしい悲劇と結びつけてその名前を覚えていながら、彼が一体どんな人物なのか、自信を持って語ることのできる人はほとんどいないだろう。この分厚いを読めばポル・ポトという人物の具体的な像が浮かんでくるかというと、残念ながら必ずしもそうではない。読後も強く印象に残るようなエピソードや言動といったものがこの人物についてはそもそも乏しいからだ。書の大部分は、むしろ複雑極まりない第二次世界大戦後のカンボジア国内の政治状況やインドシナ半島を取り巻く国際情勢の解説などに費やされている。 もちろん、ク

    悪の凡庸さについての報告:カンボジアのケース - 梶ピエールのブログ
    koshinishiki397
    koshinishiki397 2008/02/07
    itiou.
  • 梶ピエールの備忘録。 - もう一つの『グアンタナモ 僕達が見た真実』

    ドキュメンタリー・マニアの僕としては、「再現映像」というとどうも『そのとき歴史が動いた』とかを連想してしまってあまりまともに見る気になれない。それが「悲惨で、筆舌に尽くしがたい」出来事を扱ったものであるならなおさらだ。例えば『ショアー』にホロコーストの再現映像とかそういった類のものがちょっとでもでてきたら何もかもぶち壊しでしょ? しかしそんな僕でも、今年初めに公開された『グアンタナモ、僕達が見た真実』(僕はこれを去年の夏バークレーでキューバ旅行に出かける直前に見た)が、どうしても再現フィルムの手法を用いて作られなければならなかったということはよくわかる。それは、グアンタナモで行われていたことが単に「悲惨で、筆舌に尽くしがたい」ものであるからだけでなく、「通常の感覚を持った人間の想像力を超えている」からだ。たとえこの映画の製作意図や政治的姿勢に批判的であっても、映画を観た後では、グアンタナモ

    梶ピエールの備忘録。 - もう一つの『グアンタナモ 僕達が見た真実』
  • 2007-08-03

    前著『八月十五日の神話』はあちこちで話題になった力作だったが、日の「8月15日神話」と対比されるべき周辺国の終戦記念日の説明について、若干の疑問点も提起されていた(id:kaikaji:20050912)。恐らくこういった批判を踏まえてだろう、佐藤卓巳氏が戦争とメディアに関する共同研究を行っていた韓・中台の近現代史研究者たちとのコラボレーションを実現させ、その成果をまとめたのが、書。 こういった日史研究と東洋史(というくくりが適当かどうかはさておき)研究の間で相互作用が盛んになることはとてもいいことだと思うし、「終戦」「敗戦」を単なる「国民」の間だけで閉じられた「夏の季語」とするのではなく、アジアでの戦争や植民地支配の問題を広く国際的に議論していくためにも「8月15日神話」およびそれに支えられた「8月ジャーナリズム」の相対化を図るべきだという著者のメッセージには、僕も基的に賛成した

    2007-08-03
  • 梶ピエールの備忘録。―テッサ・モーリス-スズキ『北朝鮮へのエクソダス』

    すでにあちこちで高い評価を受けているけど、改めてこれは名著だと思う。北朝鮮問題について左派の立場から書かれたものとしては、全くアプローチは異なるけれど、脱北者の問題を扱った石丸次郎氏のルポルタージュ、『北のサラムたちasin:4901873016』と相通じるものを感じた。あえて言うなら、この二つの書物は、あくまでも「事実」の徹底的な掘り起こしを通じて、政治的対立のなかで翻弄される最も弱い立場の人々に最大限寄り添おうという姿勢において共通している。 在日朝鮮人の「帰国事業」は映画『パッチギ!』のモチーフの一つにもなっているが、その成立過程は今まであまりに謎につつまれてきた。一般的な理解としては北朝鮮と朝鮮総連ががっちり手を組んだプロパガンダであったというのが定着していると思うが、近年では日赤十字と日政府が一種の「厄介払い」として事業に積極的に関与する、という側面があったことも指摘されるこ

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  • 梶ピエールの備忘録。:島耕作もびっくり!なぜ中国企業が作るものはこんなに安いのか

    『クーリエ・ジャポン』6月号に掲載された山形浩生さんの記事で、Economist誌の中国系自動車メーカーについての記事が紹介されていた。まあ一連のコピー製品を揶揄するような内容なんだが、それにしてもいくらコピーしているからといってどうしてそんなに安い(オリジナルの半額くらい)製品を作れるのか、謎だ、とEconomistも山形さんも首をひねっており、Economistのことだからそのうち何かもっともらしい分析結果を出すかもしれない、という言葉で締めくくられていた。 しかし、わざわざEconomistが謎を解いてくれるのを待つ必要はない!中国産業研究の分野ではたぶん世界のトップランナーである、丸川知雄さんの新著を読めばその答えが(あらかた)わかるからである。 現代中国の産業―勃興する中国企業の強さと脆さ (中公新書) 作者: 丸川知雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/05メデ

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  • 梶ピエールの備忘録。 - 再び「白人の重荷」について

    このところNHK衛星ドキュメンタリーネタが続いていたのは別に経済学のとっつきにくさをカバーしようとしているわけではなくて、単に最近経済学の勉強をしていないのでネタ切れというだけなんですが、われながらいい加減マンネリ気味だと思うのでこのへんで総括と言うことにしたいと思います。 このブログでもたびたび紹介してきた、NHKBS「世界のドキュメンタリー」では、中国とかインドとかいった途上国の中の「勝ち組」を含め、グローバリズムの負の側面にも鋭く踏み込んだ番組がたびたび放送される。もちろん、その内容を全て鵜呑みにするのは危険だが、多くの場合それらは開発とかグローバル化とかいった問題を抽象的に考えていく時には抜け落ちてしまいがちな、現実の問題に気付くための貴重な機会を提供してくれる。 ただ、ヨーロッパのメディアによって製作された番組に顕著な、人道主義的な観点から途上国の現場で行われている「悪」を厳しく

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