創部2季目のチームの快進撃は、クライマックスを迎えないまま終わってしまった。3月11日、翌日からのアイスホッケー・アジアリーグのプレーオフ決勝第1戦に向け、郡山・磐梯熱海アイスアリーナで練習を始める直前、東日本大震災は発生した。東北フリーブレイズの主将、田中豪(27)は「リンクの壁の一部が崩れていた。試合どころではない」と悟ったという。 ■震災で決勝は中止、両者優勝に ハルラ(韓国)との決勝は中止、両者優勝となった。思いは複雑だ。「優勝したとは思ってない。ぽっかり穴があいた感じ」。それまでは夢のようなシーズンだった。センターフォワードの田中は得点王とポイント王(24得点と35アシストの計59ポイント)の2冠を獲得、チームは4チームで争うプレーオフに初めて進み、準決勝で日本製紙を破る番狂わせを演じた。 174センチの体は大男が肉弾戦を演じるリンクでは、かなり小さく見える。競技の激しさとは一見