大きな期待を背負い、小さからぬ野心を抱いた日本代表の旅路は、わずか十日余りで閉幕を迎えてしまった。 敗因を一つに限定するのは不可能だし、それはそもそも不正解でもあるだろう。複数の要因があって、日本は敗れた。今年に入って主力選手に不調や負傷が相次いだのは不運だったと言えるし、それを補うだけの力がなかったとも言える。ただ悔やまれるとしたら、そして後世の教訓とすべきはやはり、初戦の内容だ。 「自分たちのサッカー」というフレーズが独り歩きしてしまった感があるが、個人的には内田篤人が使っていた「普段どおりにやる」という言葉のほうがしっくり来る。「自分たちのサッカー」と言っても、何も相手のことを何も考えずにプレーするというニュアンスではないだろう。「やってきたことをやる」。そういう意味だったと解釈していた。 できなかった理由は幾つかあるが、平常心を欠いたように見える選手が複数いたことが大きかった。長谷