今回は「時間と決断」がテーマです。 事件は、インドネシア空港を午前1時に出発した“機内”で起きた。同機は予定どおり午前8時半頃、徐々に高度を下げ着陸態勢に突入……する予定だった。 ところが、「着陸準備が出来ていません!」とチーフパーサー(CP :客室乗務員の責任者)から連絡。「エコノミークラス約70人分の食事トレーが、まだ回収できていない。もう少し待って欲しい」というのが理由だった。 そこで、機長は急遽着陸を断念。上空を旋回して待つことに。 1回目のトライアルから20分後。「着陸準備完了!」の報告を受けた機長は最終の着陸態勢に入り、同機は午前8時59分、“無事”成田空港に着陸……したはずだった。 いや、着陸はちゃんとした。だが、ホントは着陸しちゃいけなかったのである。 な、なんと恐ろしいことに何十キロもあるカート2台を、CAが座席に座り、両手で押さえたままの状態で着陸していたのだ。大惨事に