フラット化する世界 [増補改訂版] (上下) トーマス・フリードマン 2006年5月に書店に平積みになっていた本書はずいぶん魅力的に見えたものである。全米で205万部突破、25カ国で出版予定。アルヴィン・トフラーの『富の未来』もいっしょに平積みになっていて、このトーマス・フリードマンの本はトフラーの本を模したものではないかという思いがする。 トフラーは70年に『未来の衝撃』、80年に『第三の波』、90年に『パワーシフト』というこんにちのネット社会や情報化社会とよばれる社会の到来を予測していた。私もこれらの本を90年代に読んでえらく感動したものだが、とくに『第三の波』が工業社会の規範をうきぼりにして感銘したが、トフラーの本はとうじ中国では発禁処分を受けていたのである。高度成長をつづける現在の中国とは隔世の感である。 『フラット化する世界』ではインドや中国とフラットな社会で競争しなければならな