「100パーセントの恋愛」であり、村上春樹の作品の中で「唯一のリアリズム小説」である 『ノルウェイの森』。村上さん自身はこの小説をどう捉えているのでしょう? 村上さん自身の言葉から探っていきます。 「村上春樹全作品 1979~1989 ⑥ ノルウェイの森」(講談社,1991)の序文にあたる、 「自作を語る」 100パーセント・リアリズムへの挑戦 と題された小冊子で、村上さんは『ノルウェイの森』について以下のように語っています。 (ちなみに引用部分に出てくるカジュアリティーズという言葉は、辞書的には事故などの死傷者、被害者、または損害を受けた物、損失物という意味です) そしてこの話は基本的にカジュアリティーズ(うまい訳語を持たない。戦闘員の減損とでも言うのか)についての話なのだ。それは僕のまわりで死んでいった、あるいは失われていったすくなからざるカジュアリティーズについての話であり、あるいは
![村上春樹が語る、小説『ノルウェイの森』 | くらげだらけの井戸](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/77604121ff77ac1569a279aef94de24abb0098b8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpds.exblog.jp%2Flogo%2F1%2F200906%2F22%2F01%2Fa013140120090818002400.jpg)