膀胱(ぼうこう)にたまる尿の量を体内時計が調節していることを、京都大の小川修教授らがマウスの実験で突き止めた。 体内時計を制御する「時計遺伝子」が、膀胱の筋肉を収縮しやすくするたんぱく質の量を睡眠中は減らすことで排尿を抑えていた。夜尿症の治療薬開発につながる成果で、科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。 睡眠中は腎臓が作る尿の量が減るとともに、膀胱にためることのできる尿の量も増えるため、長時間排尿せずに済むらしい。 時計遺伝子の働きで、活動中はこのたんぱく質の量が増えるため、マウスは少しずつ頻繁に排尿する。マウスの時計遺伝子を働かなくすると、排尿に昼夜の区別がなくなった。グループの兼松明弘・兵庫医科大准教授は「膀胱の筋肉を収縮しやすくするたんぱく質の量を制御する物質が見つかれば、子どもの夜尿症や高齢者の夜間頻尿の治療薬につながる」と話す。
地球内部のマントルは、構成物質の組成が上部と下部で異なることを、東北大や高輝度光科学研究センターなどが高温高圧実験で突き止めた。 マントルは均質とする従来の説を覆す成果で、英科学誌ネイチャー電子版に3日発表した。 マントルは地球表面を覆う地殻(深さ数~数十キロ・メートル)の下の岩石層で、深さ2900キロまである。地震波の伝わる速度が変化する深さ660キロを境に、上部と下部に区分されている。 上部の組成は、マグマと一緒に噴出したマントル物質の分析などから、かんらん石が主成分とわかっているが、下部は分析試料がない。マントル内の対流から組成が均質化し、上部と同じだと考えられていた。 研究チームは、大型放射光施設「SPring―8(スプリング8)」で、下部の状態(温度2700度、30万~124万気圧)を再現。観測された地震波の速度と一致する組成を調べた結果、上部よりも岩石に含まれるケイ素が2倍多い
総務省が「こどもの日」に合わせて4日発表した4月1日現在の15歳未満の子どもの推計人口は、前年より12万人少ない1665万人で、統計をさかのぼれる1950年以降で最も少なくなった。内訳は男子が852万人、女子が812万人。子どもの数が減るのは82年以降、31年連続で、少子化の進行に歯止めがかからない実態が浮き彫りとなった。総人口に占める子どもの割合は50年に35.4%だったが、今年は前年より0
佐賀県武雄市は4日、市図書館(同市武雄町)の運営について、全国でCD・DVDレンタル店「TSUTAYA」約1400店を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(本社・東京都)を指定管理者として委託すると発表した。運営は議会の承認を経て13年4月からの予定。同社の公立図書館運営は初めてで、雑誌や文具の販売、カフェの設置などを計画している。 市によると、運営方針には、蔵書を現在の約18万冊から20万冊▽雑誌や文具販売▽共通ポイントサービス「Tカード」を図書貸し出しに導入−−などが盛り込まれる予定。運営費は現在、年間1億4500万円だが、約1割減らす意向という。 樋渡啓祐市長は佐賀県庁で記者会見し「市民の生活を豊かにする図書館にしたい」と話した。【蒔田備憲】 【ことば】指定管理者制度 公園や市民会館など自治体が持つ公共施設の管理運営を民間に委ねる制度。03年9月施行の改正地方自治法で導入された
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。 学んで得する!お金の話「まね得」 お金に関する知識が生活防衛につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得を目指す記者と一緒に楽しく学んでいきましょう。 ※次回は「債券投資を知ろう」編。9月13日(金)に更新予定です。
30歳前後の女性に発症例が多い神経難病多発性硬化症の患者に投与される代表的な治療薬が効かない症例を簡単に見分ける方法を、大阪大の中辻裕司講師らが発見した。 治療薬を早期に切り替えることで症状の進行を効果的に抑えられる可能性がある。 多発性硬化症の治療は、インターフェロンβを定期的に注射して症状の進行を遅らせる方法が主流だが、脳に病巣がある患者約60人を中辻講師らが調べると、約3分の1の患者で、この治療法では効果が確認されなかった。 これらの患者では、セマフォリン4Aというたんぱく質が血液中に高濃度で検出された。これは通常、細胞の表面にくっつき、周囲の免疫細胞を集めるなどしているが、何らかの原因で細胞を離れて血液中に大量に流れ出し、症状の進行を加速させるらしい。 このたんぱく質を調べる血液検査は半日程度で可能。多発性硬化症には昨年、別の治療薬も承認されており、中辻講師は「早い段階で患者に合っ
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