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前回日本に帰ってきたとき、ある本の編集者さんとお会いする機会があった。その場で担当されたという本をAmazonに発注したものの、入れ違いで受け取れず、今回の帰省でようやく読むことができた。 科学でわかる男と女の心と脳 男はなぜ若い子が好きか? 女はなぜ金持ちが好きか? (サイエンス・アイ新書) 作者: 麻生一枝,東雲水生出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2010/03/18メディア: 新書購入: 13人 クリック: 441回この商品を含むブログ (14件) を見る それがこの本、「科学でわかる男と女の心と脳」である。副題の「男はなぜ若い子が好きか? 女はなぜ金持ちが好きか?」というのは多くの人が実感する命題であろう。 正直、俺のような無粋者のオタクにはモテ非モテの議論はついていけず、少子化や孤独死の問題についていまひとつ踏みこめない部分があった。だがこうしてデータで示
「睡眠はコントロールできる (メディアファクトリー新書)」を読んだ。二度読んだ。さらに読むかもしれない。タイトルからすると、睡眠をどうコントロールするかという点に関心を持つかもしれないが、内容はやや違っていて、著者の一人、遠藤琢郎氏による睡眠クリニックの話がメインである。つまり睡眠障害にある人の事例を挙げて解説するというもの。で、それはそうなんだが……。 この本の面白さ、あるいは有用性はそこではないのではないかと思う。じゃあ、どこか。簡単に言うと、各種の精神的な問題、あるいは勉強や仕事などに関連する社会的問題が、本人は自覚していないけど実は睡眠に起因しているという側面をよく描いている点にある。いろいろ現代思想するんじゃなくて、それ、睡眠障害だよ、みたいな。 読みながら思ったのだが、ツイッターにいろいろネガネガをまき散らしている某氏・某女史は、精神的な問題あるいは社会問題、ひいては日本社会の
2011年01月22日 台北・Eslite 誠品書店に「書店」が進むべき未来を見た。 つくづく思うが、テクノロジーというものは「残酷」なものだ。 新撰組のように、青春を捧げて剣術の修行に励んでみても、銃を手にした素人には敵わない。ロウソクの明かりに、どのような情緒があると言っても、2011年の今、ロウソクに明かりを灯すのは、誕生ケーキを前にして歌うほんの束の間であり、電灯を使わぬ生活など考えられない。 そのようにして消えていったものは多数ある。帆船、馬車、蒸気機関車、電信、タイプライター。たとえば私の記憶が鮮明にある範囲でも、ポケベルもそうだった。現在、30代の女性が「女子高生」と言われていたころには、「5643(ゴム持参)」といったように数文字の語呂合わせで、友人同士が公衆電話からプッシュ信号を押して、コミュニケーションしていたなんて、今の高校生にとっては、モールス信号なみの時代錯誤に思
スマートフォンやタブレット端末などの普及を背景に,NANDフラッシュ・メモリの需要が急拡大しています。「NANDフラッシュ・メモリ・メーカーは当面,ヘルシーに事業を拡大できそうだ」(米Gartner, Inc. Research Director, NAND Flash SemiconductorsのJoseph Unsworth氏)という予測も出てきました。実際,NANDフラッシュ・メモリを手がける東芝では,2010年度第1〜3四半期(2010年4〜12月期)に過去最高となる1423億円の営業利益を達成しています(関連記事1)。 Gartner社の予測によると,2014年のNANDフラッシュ・メモリのビット需要は,現状の10E(エクサ)バイトから100Eバイトに増える見通しです。その内訳は,スマートフォンなどの携帯電話機が33%,タブレット端末が約18%となっており,この二つだけで全体の
映画『ソーシャル・ネットワーク』のヒットもあって、Facebookに注目が集まっている。 すでにさんざんいわれているけれど、Facebookは実名主義で、学歴や職歴、趣味だけでなく、宗教や政治的立場の入力欄があり、多くのひとが顔写真を載せている。それに対して日本は、2chに代表されるように匿名主義が主流で、SNS最大手のmixiは、ユーザーの登録情報を実名にしたところトラブルが続出したため、匿名で登録しニックネームでやり取りするのが一般的になった。 実名主義と匿名主義は、ナッシュ均衡の関係にある。大半のひとが実名でSNSを利用しているのであれば、自分だけ匿名なのは、やましいことがあると告白しているのと同じだ。逆にみんなが匿名で情報交換する場所で、一人だけ顔と名前をさらすのは、トラブルを招き寄せるようなものだろう。 実名主義の社会では、自分がひとよりどれだけ目立つかを競うのがデフォルトのゲー
小室直樹さんの『日本にまだ近代国家に非ず』読了。田中角栄を通しての政治家と官僚の違いについて。日本の検察の問題点がかなり明確に理解できた。この人の本を読むと、通常は簡単に理解できない「概念」がよくわかるケースが多く、本当に勉強になる。亡くなったのは本当に残念だ。 為政者の要件「ヴィトルフ(Virtue)」というマキャベェッリの中心的分析概念は、非常に興味深かった。政治的にいえば「徳」に該当するのであろうが、確かに訳がうまくいっていない。普通に「倫理上の美徳」と訳すと、概念の本質がまったく日本人には理解できないだろう。塩野七生さんの『わが友マキャベリ』を読もうとしていたので、非常によい補助線に出会えた。読み比べながら読書してみようと思う。 それにしても、政治家の要件は、「運命を下僕にできる」という表現は、なるほどと唸った。通常の政治家というよりは、傑出したリーダーの要件なんだとは思うけれども
2011年01月30日21:49 カテゴリIT経済 マルクスとソーシャルメディア 先週のUstream中継でも議論したことだが、今のマスコミが広い意味でのソーシャルメディアに支配的な地位を譲ることは、遅かれ早かれ避けられない。しかし問題は、それによって今より大きなメディア産業ができるのかということだ。私はたぶんできないと思う。 その理由は、従来のメディアはそのインフラ独占によって高い利潤を上げてきたが、ウェブは非常に競争的なので、高い価格が設定できないからだ。たとえば、かつてNTTの電話の売り上げは年間6兆円だったが、今は2000社以上のISPを合計しても8000億円ぐらいだ。しかしそこを流通する情報の量は何万倍にもなり、ウェブを利用する情報サービス全体の付加価値は数十兆円にのぼる。このような知識の外部性は成長理論で全要素生産性として知られているが、逆説的なのは資本主義のエンジンが市場を通
2011年02月03日23:11 カテゴリ経済 電波行政という相撲部屋 きのうは日本の電波行政が相撲の八百長に似ていることを示したが、これは偶然の一致ではない。マスコミの監視を逃れてきた電波行政には、前近代的な官民関係がいまだに強く残っているからだ。今週のニューズウィークで書いた「貸し借り」は、一種の贈与にあたるが、相撲の八百長もこの原理で動いている。力士の「注射」に現金の授受はなく、別の場所で星を返す貸し借りで八百長のネットワークは維持されている。 日本では会社の中の人間関係でも商慣習でも、「貸しをつくった」とか「借りを返す」といった行動が実に多い。相撲の八百長でも明示的な契約はないので、借りたまま「食い逃げ」することが合理的だが、そういうことをやると評判を落とし、村八分になる。この短期的な利益と長期的な評判のどちらが重要になるかは、贈与の大きさで決まる。 ゲーム理論で考えると、繰り返し
2011年02月02日23:11 カテゴリ科学/文化経済 八百長は日本の伝統 相撲の八百長が問題になっているが、「相撲界の存亡の危機」などという相撲協会のコメントに「何を今さら白々しい」と多くの人は思っているだろう。昔から週刊誌では何度も報じられたが、調査もしないで「証拠不十分」で逃げてきた。今度は警察が携帯のメールという証拠を握ったから、白を切れなくなっただけだ。 賭博罪になる野球賭博と違って、八百長は違法行為でもないし、当の関取が悪いとも思っていない。八百長や談合は、当事者にとってはwin-winゲームだからである。人間関係でも商売でも、こうした「貸し借り」でお互いに困ったとき、助けあうのが日本の美しい伝統だ。電波利権をめぐる総務省と通信業者の八百長も、構図は同じである。損するのは、談合の輪の外にいる納税者だ。 2.5GHz帯の美人投票では、「継続的に運営するために必要な財務的基礎がよ
東大卒。自分はギリギリで東大理Iに受かったぐらいの大したことのない頭の持ち主だが、東大に入ったおかげで、色々な東大生を見ることが出来た。その結果、論理操作能力というのは極めて遺伝的なものであるという事実を知ることが出来た。東大の中でも頭がイイ奴は、特に、時間あたりに操作できる論理操作の数が常人の数倍は速く、常人より1桁正確だと思う。この事実を知ることが出来たことが、東大に入って最も良かったことの一つだと思っている。 お勉強が出来るだけでは社会に出ても役に立たないというのは、その通りだと思うのだが、論理操作能力が速くて正確なことは社会に出る上で非常に役に立つ。特に、議論で圧倒的に有利になる。議論って言うのは、実は、試験よりも速くて正確な論理操作能力が要求される。その場で返答しなければいけないからだ。試験だったら、その場でとっさに答えを思いつかなくても、「とりあえず置いておいて、試験時間終了間
◎エジプトにてベルリンの壁崩壊の再現なるか ニュースでご覧の通り、エジプトで現在、政治の正常化を求める市民の気運が大きく高まっています。ベルリンの壁が崩壊した時に似て、現在、私たちは草の根からの革命を目撃しているのかも知れません。 エジプトでは、約30年前、時の大統領のサーダートが殺され、非常事態が宣言され、当時、副大統領だったムバーラクが大統領になりました。以来今日まで、非常事態宣言は解除されていません。つまり、非常事態が 30年継続していて、その中で、大統領が自分に都合のいいように法を作り変えている状態が続いています。エジプトは、アラブの大義を裏切って、イスラエルと単独和平を結んだ結果、アラブ連盟から追放されましたが、そんなエジプト、つまりはムバーラク大統領の独裁制を、アメリカが全面的に援助してきました。そして、それに反対するエジプト人民の声や運動はずっと抑圧、弾圧されてきています。
NIRAから、星=カシャップによる「何が日本の経済成長を止めたのか?」と題する研究報告書を送っていただいた。要約版は日経新聞にも出たので読んだ人も多いだろうが、もとの論文は現在の日本経済の問題点を多くの実証データで分析しているので、政治家や官僚のみなさんにも読んでほしい。 この報告書のポイントは、日本の成長率がなぜこんなに急に落ちたのかということだ。日本経済が成熟したとか労働人口が減少するとかいう問題は、たしかに成長を減速させる要因ではあるが、上の図のように英米などは一人あたりGDPが増えても成長率はそれほど大きく減少していないのに対して、日本は90年代以降、成長率が急激に落ち込んだ。その原因として、彼らは次の3つの要因を指摘する: 90年代の不良債権処理の失敗:バブル崩壊によって実質的に経営の破綻したゾンビ企業を銀行が追い貸しによって延命し、政府がそれを不適切な銀行監督政策で支援した結果
宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』を興味深く読んだので、忘れないうちに感想を書いておきたい。 宇野はこの本で、19世紀フランスの政治思想家アレクシ・ド・トクヴィル(『アメリカのデモクラシー』)を導き手とし、私たちにはあまり馴染みのない現代ヨーロッパの政治哲学者・社会学者の議論をひもときながら、だれもが「自分らしく」生きることを追及する「〈私〉時代」のデモクラシーの可能性を論じている(以下は私なりの解釈で、宇野の本の正確な要約ではない)。 18世紀の産業革命によって経済(市場)は爆発的に拡大し、ひとびとは身分制(階層社会)の桎梏から解放され、人類史上はじめて「自由」と「平等」を理想として掲げることが可能になった。近代化とは、王制(神権政治)に対する社会改革=革命運動として始まった。 ところが第二次世界大戦後、社会がより豊かになると、ひとびとの関心は〈社会〉から〈私〉へと向かいはじめる。これ
評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ) ■とにかく飛行シーンが素晴らしい! 素晴らしいアニメーションだった。脚本、映像、演出どれをとっても超がつく一流で、ノラネコさんが絶賛するだけあるレベルだった。大人も子供も年齢を関係なく感動ができる水準で、ハリウッド映画とは思えない重厚さのあるラストシーンも白眉です。さすがドリームワークス。ディズニー系では、出来ないだろうなという、最後の渋い終わり方がたまりません。また、何が一番注目と言えば、ドラゴンとヒックが空を飛ぶ飛翔のシーン。3Dがまさに3Dである意味を持つ見事なシーンで、たぶんこれまでアニメーションで描かれてきた「空を飛ぶ」というシーンの集大成的な美しさ。監督は宮崎駿の飛行のシーンを徹底的に研究したといわれていますが、たしかに、天才アニメーター宮崎駿の飛行シーンに見慣れている僕のような世代にとってさえ、これは!と思わせる飛行シーンの
中国のメディアが面白い。中国の新聞・テレビと言えば「情報統制」という図式を思い描くが、これがだいぶ変化しているのだ。 もちろん、チベット問題や天安門事件など、共産党の政権維持に不都合なことは報道しないのが大前提。しかし、それを差し引いたとしても十分に楽しめる。 中国が国家として成長するスピードに合わせるように、記者も紙面もずいぶん成長しているなと実感する。以前よりも、ニュースの伝え方が変化に富むようになってきた。 上海在住の梁信さん(仮名、男性、50代)は、「メディアが大きく変わったきっかけは、2008年の四川大地震ではないか」と話す。 梁信さんは、地元紙「新民晩報」を10年近く購読している。その紙面の変化を次のように語る。「四川大地震では、被災地への募金が、本当にそれを必要としている人に届けられていないことが明らかになった。記者の意識もその頃から変わったのだろう。官僚の腐敗を暴くような記
製薬国内最大手の武田薬品工業が、2013年4月入社の新卒採用から、英語力を測る学力テスト「TOEIC」(990点満点)で730点以上の取得を義務づけることが22日、明らかになった。 通訳業務や海外赴任を前提とする採用を除いて、国内大手企業が新卒採用でTOEICの基準点を設けるのは極めて珍しく、他の大手企業の採用活動にも影響を与えそうだ。 730点以上は「通常会話は完全に理解できる」水準とされ、得点者は受験者の1割強にとどまっている。 武田薬品は、海外事業や研究開発体制の強化のために、外国人研究者の採用や海外の新薬候補品を持っているベンチャー企業のM&A(企業の合併・買収)を積極化させている。採用条件に高い英語力を明示することで、海外事業や研究開発の強化に対応できる人材を獲得する狙いがある。
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