太陽の活動が低下する異変が起きている。磁場や黒点数の変動周期が通常と全く異なる状態になっていることが、日本の衛星などの観測で分かってきた。地球の気温が低かった17~18世紀の状況に酷似しており、地球が寒冷化に向かう可能性も指摘されている。太陽でいったい何が起きているのか。(伊藤壽一郎) ◇謎の4重極構造 太陽には地球同様に北極と南極があり、棒磁石の両端のようにN極(プラス磁場)とS極(マイナス磁場)に分かれている。北極と南極の極性は、約11年周期で同時にひっくり返り磁場の反転を繰り返してきた。最後の反転は2000年ごろで、北極がマイナス、南極がプラスとなった。 だが、06年に打ち上げた日本の太陽観測衛星「ひので」による観測で今年4月、これまでにない不思議な現象が起きていることが判明した。北極では08年以降、プラスへ反転しつつあると確認されたが、呼応して反