ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が亡くなった。2010年代中盤から急速に頭角を現し、立ち上げた「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™)」のクリエイティブディレクター、そして「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ アーティスティックディレクターとして栄華を極める全盛期の最中、41歳でこの世を去った。各国で数々のヴァージルについての評が書かれてきたが、改めて2022年の年初に、2010年代中盤から急速に頭角を現した彼と、彼を取り巻いた現象から今後のヒントになるべきものを考え、改めて評価してみたいと思う。(文:小石祐介) ヴァージル・アブローについて語られるとき、まず彼が「アフリカ系」デザイナーであること、そして第二に「ストリート」との関係性が挙げられる。 最初に「アフリカ系」というキーワードにつ